写真
2024.11
10月31日に行われるハロウィーンの祭りは日本でもメジャーになりつつあるイベントである。
ハロウィーンで仮装することはイベントのメイン的な要素だが、最近は「地味ハロウィン」と呼ばれる仮装が注目されるようになってきた。
地味ハロウィンは、日常にある身近な人物や些細な瞬間を仮装するものである。
例えば街でよく見かけるような人、日常でよく遭遇するような瞬間、そういった何気ないものをモチーフにしたものが多い。
ハロウィンの日であるということが派手な仮装と対比的に「地味」ハロウィンを生み出したわけであるが、我々は日常の中でも常に服を着ることで仮装していると同時にさせられている。
衣服はコンテクストを否応がにも生み出し、アイデンティティを放出する存在として我々を世界の中に晒す。
私は、晒される存在として客体化され続けることから逃れられなくても、主体的にかつ地味にだからこそ鮮やかに社会の中で擬態したい。
私はハロウィンではない日に、地味ハロウィンという概念を実践する。
バルトのいう<ことば>を纏う主体的な身体表象は可能か。
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12/24
服を着る目的:
卒論の執筆を進めるために、学校の図書館に向かう。
その服を選んだ環境的要因:
学校の図書館で作業する上で快適な服であること。日吉の図書館は寒いがちなのでしっかりと機能性として寒さを凌げる格好であること。
その服を選んだ心理的要因:
図書館にいくという目的であり知り合いに会うことがないとしても、レイヤードをすることで手軽にファッショナブルな装いを通して気分をあげることができる。
考えた気高い語気に満ちているキャッチコピー:
卒論を卒なくこなしに図書館へいく卒論生。飲み物を買いに行くと友人に出会うが、あくまでも落ち着いている。一人での図書館の作業ではあるがパンツスタイルではなく、レイヤードするところにどことなく日常を楽しむ余裕がみられる。カタカタとパソコンを打つ背筋はピンと伸び、寒くなるこの季節も下を向くことなく颯爽と歩く。自分のお気に入りの音楽を聞いている。25歳、ブックスマート。
起こった変化:
身支度を終え家を出ようという時にこの子はきっと楽しむ余裕がみられるネックレスをつけているはずだと思い長めで落ち着いた黒いビーズのネックレスを着用する。しっくりきた。作業をする中で、より作業に集中するために前髪を留めておきたいと思い、図書館を抜け出しカチューシャを買いにいった。初めは前髪を留めようと思い購入したが、よりブックスマートな印象を持つ気がしてよりキャラクターを憑依させることができた。背筋がカチューシャをつける前より自然に伸びる。

急遽購入したカチューシャ
移動にも本を抱えて移動したくなる。よりキャラクター性を自分に感じて高揚感に近いものを感じる。図書館の中で、本を取りに行ったりトイレに行ったりと移動する時により高揚感を強く出る感覚がある。
コンセプトを設定してからそのコンセプトに引き寄せられる感覚がある。それらが衣服を着ることを通して感じられる高揚感に直結している気がする。
気づいたこと:
現実の自分と割と近い像を投影していることに気づく。自分が今なりたい像を通して自己実現(本日の私の目的である卒論を卒なくこなしていきたいという願望をキャラクターを通して実現しようとしている)をすることを期待しているということが分かる。
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12/25
服を着る目的
お家で作業したのち、夜はバイトに向かった。私のバイトは私服を着用できるので、活かせるような服を選んだ。私のバイトは仮装をしながら働くのでいつもトナカイをつけている。すごくイベントや季節を感じられる雑貨屋さんでもあるので
その後はお友達に会う。
その服を選んだ環境的要因
クリスマスなので、ツリーのようなイメージで、色(ツリーの緑色)と形を意識した。
お店ではハロウィンが終わってからクリスマスまでの
あとお店に外気が入り込んできてすごく寒くなってしまうので、なるべく暖かい格好をということを意識している。
その服を選んだ心理的要因
トナカイをつけているからなのか、
ツリー→サブ立ち位置を狙っている?
25日を楽しみきるぞという気概とともに。
考えた気高い語気に満ちているキャッチコピー
バイトの帰りは、寒いけど少し早歩きで、いつもより少し長めに歩きながらお気に入りのポッドキャストを聞く。帰ってからホットチョコレートを飲みながらちょっと長風呂する。
クリスマスの夜、いつもよりちょっと優しい笑顔で接客する。
起こった変化
バイトでは半袖を上から着用するのだが、いつもより一層モコモコな服を着ていったため想像以上にモコモコしていることが若干予想外だった。
クリスマスツリーになっているような感覚はより増した。
気づいたこと
冬に入ってからというもの、クリスマスにかけてなのか自分でも赤を積極的に取り入れようとし始めていることに気づいた。一方で、当日はというとツリーの緑を取り入れている感じが面白い。赤いリボンをつけている子がたくさんいて、とてもテンションが上がる。地味ハロウィンがハロウィンの日なら成り立つように、赤いリボンもクリスマスだとよりクリスマス性が増すから素敵だなと感じる。
図書室にいた今からお出かけに行きそうだな、という雰囲気がなんだかとても楽しかった。好きなライブに向かう駅からの道、なんとなく自分に似たような人を見つけてもしかしたらあの人も同じライブ目当てなのかもしれないとうっすら思うそんな感じ。
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12/26
服を着る目的
IKEAに買い物にいく
その服を選んだ環境的要因
IKEAに行くのが好きなのだが、車でしかいけないのでちょっとした特別感がある。
その服を選んだ心理的要因
IKEAでいつか真っ青なソファが欲しいと強く思っている。IKEAのパキッとした原色が使われている家具や雰囲気がとても好きで(ロゴも好き)、その雰囲気に誘われて緑のパンツを履きたくなった。あとは家具屋さんということもあって、やっぱり柔らかい布というかソファのようなイメージもあったので、肌触りが特に気に入っているニットカーディガンを選んだ。このニットカーディガンは張り付きすぎないけれど柔らかく身体にフィットしてくれるので着心地も見た目も気に入っている。何より、私の大好きなharu.さんが始めたHEAPというブランドの商品でいつも着るたびに少し強い気持ちになれるものでもある。
考えた気高い語気に満ちているキャッチコピー
社会人3年目。青いソファを買いに行くつもりだが、黄色いソファへの気持ちも揺らいでいる。ニットだけどすっきりとした気持ちになれるので、ニットパーカーがとても気に入っている。
起こった変化
途中でコーヒーをこぼしてしまった。シミを作りたくなくて急いで洗ったので少し服が変わる。次の予定は新宿だったので、パパッと着替える。どことなくクラシカルな感じになっていて面白い。
気づいたこと
色々作業ができるようにと基本的にリュックを持っているのだけど、新宿ってやっぱり作業しようというような人ってあまりいないのかもしれない。ビジネス街と思っていたのは私だけか、はたまた昼間にリュックを背負って出歩く人間が少ないのか。
私のキャンパスではリュックの人を多く見るけど、同じ大学でも都内にあるキャンパスだと結構リュックの所持率は少なくなる。都市にこそリュックだと思わなくもないが。
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12/27
服を着る目的
今期最後の授業に向かう。最近は大学には週に何度も通っているが、自分のメインのキャンパスは週に一回しか通っていないので金曜日が1週間のサイクルのポイントになっている。
その服を選んだ環境的要因
昨日、有線のイヤホンを落としてしまったので通学の時間に音楽が聞けなくなってしまうかもしれないことに気づき久しぶりにヘッドホンを出す。こういう時、充電がまだ結構残っている時とても嬉しい。
一、二年前頃はひたすらヘッドホンを使っていて高性能なヘッドホンを買ったりもしていたのだけど持ち運びの簡単さから
ヘッドホンを使うと、アイテムとして増えるだけではなくて髪の毛のシルエットも少し変えるということに改めて気づく。学校で、マフラーかわいいねと褒められたので、最後の最後で思い出したようにマフラーを足した。単純。
その服を選んだ心理的要因
大学の前はいつも時間がないのと今日はいつにも増して時間がなかったので朝急いでシャワーを浴びながら何を着ようかと考えていた。
この衣服のアーカイブを始めるまでは、何か特別大きなイベントがあるわけではない日のコーディネートをここまで意識的に考えることがなかったので新鮮な気持ちになりながらとりあえず考える。最近、ヒートテックとかタイツとかの感じが好き。薄っぺらいヒートテックの方じゃなくて、もっとしっとりしている方のやつ。なんていうか、ちょっと寒い冬に、あったかい家の中でコージーな感じが好きというか。一番手前の柔らかさみたいなものを大事にしているかもしれない。あとは、リールで流れてくるそういったような動画が好きなことも大きい気がする。ヒートテックとかタイツとか考える時、そういった動画が頭の中にイメージされていることに気づく。
結局、忘れていたジャケットが放ってあったのを見つけて着てみることになる。頭の中にあるクローゼットと実際のクローゼット(クローゼットに入りきっていない広い範囲でのクローゼット)はやっぱりギャップがあるのだと思う。いつか何着持っているのか調べてみたい。
考えた気高い語気に満ちているキャッチコピー
年末に向けて、より整えていく
昨日の夜の悶々とした時間とクマの影すら見せない四年生
学校までの道でヘッドホンをつけた友達とすれ違う。お互いにお話はしないけど、会えて嬉しい、なんだか今日は頑張れる気になる。
起こった変化
本当に久しぶりにこのジャケットを着たので、着た自分のイメージが少し違った。着られている感覚というか。なんだか首周りが寂しいなと思い、主にビーズで構成されたハートのネックレスをつける。以前は、シルバーアクセサリーが似合っていると思っておりシルバーのものばかり選んでいたがビーズはシルバーだとかピンクゴールドだとかから離れられてとてもいい。最近はいわゆるアクセサリーというよりは、小学生のために作られたキラキラなビーズで構成されているようなものが純粋に可愛いと思うことが多い気がする。シックでモードだけがスタイルではないことにこの一年かけてゆっくりと気づいてきたことを思いだす。
気づいたこと
久しぶりに見つけ出した服を着る
見つけるのが遅かったからこの冬はあまり着ていない
全ての服を覚えておくことなんてできないから、毎回出会い直すような気持ちである
家にロングスカートは割とある方だし今日もスカートを2枚も買ったのに、1週間のうちかなりの日数履いているのに気づく。
1週間、で見ているというより、同じ人に会うかどうかで服装を考えている気がする。
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12/28
服を着る目的
近所の古着屋さんに寄ったあとに、駅のカフェで卒論を進める。本当は、好きなお店のポップアップにいこうと思っていたけど、やっぱりやめた。なんか昨日から年末感が出てきてゆっくりと閉めに入っている感覚があるのに今日渋谷に行ったらえらく疲れてしまう気がしてたから。
その服を選んだ環境的要因
大掃除を少ししたらなんだか疲れてしまった。コンフィーで、と思ったら青いジャージを選んでいた。これでならポップアップもいけたかもしれないという少し自分がテンションの上がる服を選ぶ。図書館や作業するためだけの日にスカートと合わせがちなストレッチの効いた服を選ぶ。
その服を選んだ心理的要因
本当は今日は、めちゃくちゃ好きなオンライン限定の古着屋さんが本日限定のポップアップが渋谷であってカレンダーにも入れていたので行く予定があった。昼頃からちょっとした大掃除のようなものを進めていたらちょっと疲れてしまったのと、こじんまりとしたポップアップっていつも気が気でなくなってしまうのでまあ行かなくていいかな、と切り替える。どっちにしろ多分今日は買わないし。その代わり、という気持ちで家の近くの古着屋にいく。多分週2くらいでふらっと行っている。やっぱりね、私は古着屋はある程度大きさがある方が気持ちが楽だなというのが正直ありますね。
考えた気高い語気に満ちているキャッチコピー
何かを買った後の支払いの時に余裕を持った笑顔とトーンができるような人間。
外気に触れて冷たくなったネックレスが凛とした雰囲気を引き立てる。
コーヒーは今日はラテ。愛犬の散歩は今日も早歩きで。
起こった変化
買ったネックレスを即座につけた。前回のカチューシャの時もそうだけど、買ったらすぐにその日に取り入れがちな気がした。
今日は、行きたいポップアップに行かなかったという気持ちが、古着を買うモチベーションにより強くつながったような気がした。
気づいたこと
朝、目覚ましもつけずかなりゆっくり起きてしまったので気を引き締めるという意味でもネクタイを用いたスタイルに挑戦してみたいと最初思った。一年ほど前に買ってみたネクタイは結局結び方が分からずずっと挑戦できていなかった。
今日はシャツスタイルでシャキッとしたかったから、いざと思ってネクタイを締めようと思ったけれどやっぱり結び方が分からず初めてちゃんと調べる。調べたはいいものの、何かどこか焦っているのかうまく結べない。シャツもチェック柄で好きなシャツなはずだったけれどなんだかしっくり来なくて結局辞めた。その日、着ようと思って着なかった服の数は、その日のコンディションによって違うよなと改めて思う。
どうにかかっちりする要素は取り入れたくて、チョーカーのような(チョーカーではない)首周りにタイトなパールのネックレスをつける。巻きつける・留めるといったようなものを、ぼんやりした時に輪郭を感じたい時に多く用いる気がする。
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12/29
服を着る目的
バイトとそのあとの家族でのご飯
その服を選んだ環境的要因
久しぶりに兄が帰省して家族揃っての夜ご飯なのでステーキを食べにいく予定がある。匂いやソースなどが飛ぶことが怖いのでなんとなく暗めな服を選んだ。あとは洗えそうな素材。
その服を選んだ心理的要因
このアーカイブを記録することで、同じスカートを履いてばかりいることに気づきたまには変えてみようかなという気持ちになった。いつも通りならば昨日買ったスカートを履いていきそうだけど家族とのご飯なのでなんとなくいつものスカートで抑える。私以外の家族が明日から帰省するので明日新しい服を着る気がする。
考えた気高い語気に満ちているキャッチコピー
いつもの日課は帰ってからのさんぴん茶。ホットアイマスクと洗顔は帰宅後すぐする。
バイトの休みにもちゃっかり作業をする。
大掃除といっても部屋をひっくり返すのではなくて、お気に入りの音楽をかけながらいらないものを10個捨てる。落ち着いたヴァンパイア。
起こった変化
服のフリルが見えるたびに少しエレガントな気分になれる。
フリルは袖についており、質感も違うのでフリルを纏っているという体感があるのも大きいかもしれない。フリルの手袋を探したいと思っていたことを思いだす。
気づいたこと
赤と白がいいよね、と思っていたが黒と赤も結構すきなのかもしれない。
同じような赤スカートで、赤がメインになっているスカートをずっと探している。まだこれだ!というのは見つかっていないけれど。
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12/30
服を着る目的
近所のカフェで卒論などの作業を進める
その服を選んだ環境的要因
あまりにも寒くて最近は家の中でもタイツを履いているが、それだけでは外に出る気力がでないのでパンツとさらに重ね着して着ることにした。レイヤーが可能かつ比較的暖かいパンツを選んだ。
その服を選んだ心理的要因
外にでられていなかったので、なんとかすぐに手間をかけずに外にでてしまいたかった。
なるべく色やコーディネート、着る時の心理的コストがかかりすぎないようなものを選ぼうと思って。
考えた気高い語気に満ちているキャッチコピー
今日も粛々と
寿司打を打つように作業をする。
去年から粛々と作業ができるようになった、今夜は帰ってからも作業ができそう。
メロンソーダを飲みながら、背筋は伸びる。
気づいたら3時間作業してしまっていがち。
起こった変化
タイツの上からズボンを履いたことはバイト以外ではなかったがあまりにも暖かかった。
家の中であびる冷気はしんどさを纏うが、外で自転車に乗りながらきる風は全く別物のよう。
気づいたこと
よくスカートはレイヤーしている。昨日は、ついこの前買った服を着るのだと思っていたが、まだクローゼットの中に入っていないから目に触れておらず着そびれた。明日こそは着たいなと思う。